関節を安定させる役割を担っている靱帯が、強い衝撃や大きな負担によって、損傷してしまうものです。
スポーツや交通事故などで損傷してしまう事が多く、部分的損傷、あるいは断裂を起こしてしまう事もあります。
症状
靱帯損傷の症状は、損傷した靱帯やその程度によって変わってきます。
靱帯は大きく分けて側副靱帯(内側・外側)と十字靱帯(前・後)に分かれており、それらがバランスをとりながら関節を支えています。
なので、一部が損傷、断裂してしまった場合、一方に強く引っ張られてしまう事になり、膝関節が不安定になってしまうのです。
靱帯損傷
少し傷ついた程度であれば、一時的な痛みが出る程度です。
日常生活に大きな支障は出ず、次第に痛みも引いていきます。
靱帯断裂
靱帯が完全に切れてしまった場合は、激しい痛みを伴います。
その後は階段の上り下りや正座をしても痛みを感じ、その後膝関節の不安定感が出始めます。
骨がずれるような感覚があり、歩いている最中に膝が抜けるようなこともおきます。
原因
靱帯の損傷が起きる原因には、大きく分けて二つあります。
接触型
こちらは、人や物とぶつかるなどして起きるパターンです。
スポーツの中での衝突や、交通事故などで膝に強い衝撃を受けて、靱帯を損傷してしまうものです。
非接触型
もうひとつは、自身の体を運動させた際に、無理な力が働いたものです。
走った状態からの急停止や、回転・方向転換、ジャンプの着地による強い衝撃などで、膝に大きなひねりを加えた際に、靱帯を損傷してしまう場合です。
治療
保存療法
靱帯の損傷が軽度であれば、ギプスやサポーターで膝を支え、安静にすることで治っていきます。
手術療法
靱帯が断裂してしまっている場合には、手術による治療が必要になります。
また、保存療法でも膝の安定感が戻らず、生活に支障が出ている場合にも、手術による治療が必要な場合があります。
靱帯は一度断裂してしまうと、元に戻ることはありません。
手術では膝周辺の”腱”を切り取って靱帯の代わりにします。
たとえ靱帯断裂をしてしまっても、器具での固定や筋力のトレーニングを行えば、手術をせずに日常生活と軽い運動は出来るようになります。
手術を実際に行うのは、プロスポーツ選手や、複数の靱帯断裂で歩行も難しいという方などです。
靱帯の損傷は加齢や膝への負担の蓄積では起きません。
スポーツや交通事故などの突発的な原因で起きてしまうので、完全な予防はできませんが、スポーツの前にはしっかりと準備運動をするなどして気をつけていきましょう。
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